MY
SUNSHINE

ニュース


池松壮亮×奥山大史×森直人 “奥山大史オールナイト”レポート。

2024/09/02(月)

左から池松壮亮さん、奥山大史監督、森直人さん
奥山大史監督お手製のチラシも配布されました

『ぼくのお日さま』の公開を記念し、奥山大史監督のルーツを深掘り!
⻑編デビュー作 『僕はイエス様が嫌い』をはじめ、『ぼくのお日さま』の制作にあたって影響を受けた『リトル・ダンサー』や『CLOSE/クロース』のほか、過去に手がけた短編作品・MVなどを一気に上映するオールナイト上映企画を開催しました。

トークショーには奥山大史監督はもちろん、池松壮亮さんが登壇!映画評論家の森直人さんが聞き手として参加し、映画にまつわるあれこれや、カンヌの裏話を存分に伺いました。
雨の心配もある中でしたが、会場には大勢のお客様が詰めかけてくださり大盛況のイベントとなりました。

まず1本目に上映されたのは、奥山監督が大学在学中に撮った作品で、⻑編デビュー作でもある『僕はイエス様が嫌い』。
本作を公開初日に劇場で鑑賞していたという池松さんは、この日もお客様と一緒に鑑賞。
当時から一貫して流れ続ける、奥山作品が持つ<静謐さ>について言及し「全く無駄がない」と絶賛し、『ぼくのお日さま』でさらに磨き上げられた「作品の純度」について語りました。

続いて、カンヌ現地渡航中、奥山監督自身がフィルムで撮影した写真をスクリーンに映しながら、カンヌ国際映画祭での裏話も披露。
『ぼくのお日さま』キャストたちのオフショット、『CLOSE/クロース』のルーカス・ドン監督と、公式上映後のスタンディングオベーションの最中に握手し、その後メールでの交流が続いているエピソードや、ヴィム・ヴェンダース監督、フランソワ・オゾン監督、そして<ある視点部門>の審査員⻑でもあったグザヴィエ・ドラン監督ら、憧れの映画人たちとの貴重な出会いと交流エピソードを披露!

かつて、フランソワ・オゾン監督が来日した際に対談を果たしていた池松さんは、「(ぼくのお日さまの)評判を聞いているよ!」と声をかけられたという秘話も明かしてくれました。

カンヌ国際映画祭の公式上映。スタンディングオベーションに歓喜する『ぼくのお日さま』チームの後ろで拍手を贈っているルーカス・ドン監督

続いて上映されたのは『ぼくのお日さま』を制作するにあたって奥山監督が「多大な影響を受けた」と明かす『リトル・ダンサー デジタ ルリマスター版』。デジタル・リマスター版の日本最速上映となりました。(10月4日(金)より新宿ピカデリー他にて全国ロードショー)

2001 年に日本で公開された際、10代の少年が環境や偏見に負けず、自分の夢<バレエダンサー>に向かって突き進む姿が多くの人々の感動を呼び、大ヒットを記録した名作。

中学生の時に本作を見た奥山監督は「映画でこんなに感動したことは無かった」と回想。
そして、自身が<映画を作りたい>と思った大学生のとき、もう一度見返し、劇中の舞台設定である1980 年代当時のイギリスの労働者階級の多くの人たちがもっていた、特徴的なジェンダーバイアスの描き方やそこで育った少年がバレエに取り組んでいくことがいかに<逆境>であったかを実感。「『ぼくのお日さま』は、『リトル・ダンサー』をやりたいと思って書いていました。」とその熱い想いを告白し、様々なお気に入りのシーンを上げながら「今観ても新鮮」とその色褪せない魅力を語り尽くしました。

3本目は、奥山大史監督が大学 2 年生の時に制作した短編映画「Tokyo 2001/10/21 22:32-22:41」や MV 作品を上映。
「写ルンです」で撮影した 2000 枚をアニメーションのように再構築して制作したと明かす「Tokyo 2001/10/21 22:32-22:41」の主演は、俳優・大竹しのぶさん。「どうしても大竹さんに出てもらいたかった」奥山監督は事務所へ手紙を書き、直談判して実現したそう。当時、奥山監督が魅入られていた、『アリス』(1988)などでも知られる、シュルレアリストの異才の映画作家ヤン・シュヴァンクマイエルからの影響を挙げました。

そして、最後の上映作品はカンヌで実現した美しい出会いの一つ、ルーカス・ドン監督の『CLOSE/クロース』(2022)の上映で幕を閉じ、充実のオールナイト企画となりました。

『ぼくのお日さま』は9月6日(金)よりテアトル新宿、TOHOシネマズ シャンテにて先行公開され、9月13日(金)より全国公開されます。

引き続き、公開までどうぞお楽しみに!

映画『ぼくのお日さま』

《あらすじ》
吃音のあるアイスホッケー少年・タクヤ(越山敬達)は、「月の光」に合わせフィギュアスケートを練習する少女・さくら(中西希亜良)の姿に、心を奪われてしまう。ある日、さくらのコーチ荒川(池松壮亮)は、ホッケー靴のままフィギュアのステップを真似て何度も転ぶタクヤを見つける。タクヤの恋の応援をしたくなった荒川は、スケート靴を貸してあげ、タクヤの練習をつきあうことに。しばらくして荒川の提案から、タクヤとさくらはペアを組みアイスダンスの練習をはじめることになり……。

監督・撮影・脚本・編集:奥山大史
出演:越山敬達、中西希亜良、池松壮亮、若葉竜也、山田真歩、潤浩ほか
主題歌:ハンバート ハンバート 
本編:90分
配給:東京テアトル 
(C)2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINÉMAS

9/6 (金)〜 9/8(日)テアトル新宿、TOHOシネマズシャンテにて3日間限定先行公開
9/13(金)より全国公開