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映画『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』× 映画『ぼくのお日さま』コラボ企画!阪元裕吾 × 奥山大史 × 池松壮亮 登壇イベントレポート≪前編≫。

2024/11/08(金)

11/5(火)@グランドシネマサンシャイン池袋、11/6(水)@テアトル新宿にて、会場を変えてそれぞれの作品上映後に「前半」「後半」と、二夜連続でのトークイベントを行いました。

『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の阪元裕吾監督、『ぼくのお日さま』奥山大史監督、そして 『ベイビーわるきゅーれ』では最狂すぎる殺し屋 冬村かえで役を、『ぼくのお日さま』では優しすぎるフィギュアスケートの荒川コーチ役を演じた池松壮亮さん、聞き手に映画評論家の森直人さんを迎え、イベントスタート。

第一夜、グランドシネマサンシャイン池袋での『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』上映後のトークイベント「前半」に登場した、阪元監督、奥山監督、池松さんの3人は、お揃いで、『ぼくのお日さま』の物販Tシャツ(白)を着用、森さんが「寒くなったのに元気な3人が半袖Tシャツです」と指摘すると、明日は、「ベビわる」Tシャツを揃って着用する予定と報告があり、まさにライブハウスでの対バン企画のような内容で会場が沸きました。

池袋の上映後の会場はいわば「ベビわる」ホーム。シアター3を埋め尽くした会場の観客に「『ぼくのお日さま』をご覧になった方」と挙手をリクエストすると、2/3ぐらいのお客さんがすでに映画をご覧だったことが判明。「アウェイだと思った」という奥山監督の緊張もとけた様子。

そして、森さんから、作品のジャンル的に生息地域がまったく違う、別の国から来た二作品のコラボ企画の実現きっかけのひとつとして、二人の監督が、同じ28歳(阪元監督=1996年1月生まれ、奥山監督=1996年2月生まれ)で、早生まれの同級生であることとも伝えられました。

このイベントが初対面となった二人新鋭監督のキューピッドになった池松さんは、「こんなにお客さんが入るのかと驚いております。ほんとにありがとうございます。大好きな2人の才能あふれる監督が出会っていること感動しております」とコメント。それぞれとの出会いは、奥山監督とはエルメスのドキュメンタリーの仕事、阪元監督とは「ナイスデイズ」のオファーがきっかけと話し、『ベイビーわるきゅーれ』シリーズは以前から観ていたものの、自分がこのシリーズに出演することになるとは全く予想思っていなかったと話しました。

阪元監督は「これ池松さんにも言ってなかったんですけど」と前置きし、「冬村かえで」というキャラクターが生まれるきっかけはドラマ『結婚できない男』(KTV /06)で阿部寛さんがお好み焼きを作る長回しのシーンを見て、「こういう殺し屋おったらおもろいな」と思ったことだったと秘話を明かすと、奥山監督は『ぼくのお日さま』の荒川役は、池松さんを「あて書き」したものだったことを話しました。

ベビわるの感想を聞かれた奥山監督は、「海外映画ではないですが、自分から遠いものとして本当フラットに楽しめて、新しかったです。一方で、台本に書いてあるのかどうかわからない気の抜けた会話を入れつつ、アクションシーンとの緩急がすごいなと。確かなその計算がなされているはずですが、計算した上で、この余白を作ってく感じがすごく共感できました。また今回のナイスデイズをみてその計算がより進んでいました。本当に池松さんがすごかったです。『ぼくのお日さま』の編集で何千回と「荒川」としての池松さん見つづけるわけですが、ナイスデイズの池松さんをみて、面食らったような、裏切られたような感覚になりました(笑)」と話しました。

池松さんは、オファーを受けた理由を、「アクションはやりたかったんですが、やりたいアクションがなくて。冬村かえでは、悲しいのに可愛くて、強くてバカで。こういう人間性のあるキャラクターに惹かれました。アクションをする肉体に宿る言語にすごく興味を持てたというか。」と話し、つづけて「でも、振り返ると本当になんでこの役を受けるって言えたんだろうと思います。1、2を見て本当にすごいなと思っていましたが、 実際にやると、とんでもないんですよね。あの2人が素晴らしいんです。この世界観に、自分が入っていけるのか?色々悩みました。でもやっぱり阪元さんにかなり引っ張られたところがあります。阪元さんがすごく面白いキャラクターで。」と阪元監督のオファーだから受けたことを伝えました。

「ロケ地」「アクション監督」「アドリブ」「テイク数」など、話題は多岐に渡りましたがあっという間にイベント終了時間がきてしまい、登壇者は話し足りない様子のまま、最後の挨拶へ。

阪元監督は「こんなコラボイベントができることって人生でもそう何回もないと思いますし、好きな映画の監督と一緒に喋れる幸せな時間を本当にありがとうございました。両作品ともまだまだ上映しておりますので、見比べても面白い部分が多いので。ロケーションも真逆だったり、殺される人の数も真逆やし(笑)でも、僕は特に編集やロケーションなど本当に奥山監督と感覚が同じだなと思いました。同じ寂しさを抱えた作品だとも思いましたし、すごく共感することが多いので、どちらも応援してくれたらと思います。」と話し、

奥山監督は「本当に楽しい時間をありがとうございました。北野武監督の振り子理論を思い出しました。暴力の表現を突き詰めるほど、その分、愛や笑いの表現もどんどん上手になっていくという。今回のナイスデイズの池松さんを見て、ここまで振り切れるから、振り子で、愛とか優しさを描ける監督なんだと思いました。今回お話しする時間いただいて、嬉しかったです。『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』のヒットに便乗させていただいて、阪元監督、池松さんをはじめ、ファンの皆さんにも本当に感謝しています。ありがとうございました。」と挨拶。

池松さんが「全然時間が足りなかったですね。本当に今日はありがとうございました。日本映画界に彗星のごとく現れた偉大な監督2人と同じ年にお仕事できてとても幸せでした。これからも、セオリーを無視して本当に新しい時代を作ってほしいと心から期待しています。」と締めくくると、森さんが「二人の相性がいいっていう嬉しい驚きがありましたね」と初対面となった新鋭監督二人のトークイベント「前半」は大盛況のうちに終了、レポートも「後半」へつづきます。